きちんと気持ちを伝えよう!
上手なネットコミュニケーション
メールやチャット、けいじ板への書きこみ、SNSからの情報発信、発信内容への書きこみなど、ネットでのコミュニケーションは文字でのやりとりが中心になります。では、ふ段のおしゃべりとどこがちがうのでしょうか。文字だけでは、顔を合わせてのやりとりや電話とちがって、顔の表情や声の調子がわかりません。そのため、言葉の意味や気持ちがうまく伝わらないことがあります。また、そっけない短い言葉で書いたり、相手に誤解されやすい表現をしたり、きつい言い方をしてしまいがちです。そのため、文字中心のコミュニケーションは、ふ段のおしゃべりよりも、さらに相手のことを考えて文章を書く必要があるのです。メールやSNSなどのネットのやりとりで、気持ちを正しく伝えるにはどうすればいいか、いっしょに考えてみましょう。
文字のコミュニケーション
使う言葉を見直そう
そんなつもりじゃなかったのに、何げなく書きこんだ言葉が誤解されたとか、軽い気持ちで送ったメールが思いもよらず相手を傷つけて、友達とけんかや仲たがい…なんていやですよね。文字でのやりとりで気持ちをうまく伝えるコツは、まず、「言葉をていねいに選ぶこと」です。
たとえば、「ぼくは、いいよ。」という文面のメールが友達から来たとします。あなたならこれをどういう意味だと考えますか?「ぼくはOKです」という意味でしょうか。それとも、「ぼくは、えんりょします」という意味でしょうか。また「それ、おかしい!」という文面が来たらどうでしょう。「おもしろい、笑える」という意味にも「変だ、うたがわしい」という意味にもとれますね。このように、ふ段のおしゃべりでは表情やイントネーションで伝わることが、文字にしてしまうとわからなくなってしまうことがあります。いくつもの意味にとることができる言葉は、なるべく一つの意味にとれる言葉に言いかえるようにしましょう。
また、声や表情が伝わらない文字コミュニケーションでは、同じ言葉が、顔を合わせて話している時よりもきつく感じられてしまうことを覚えておきましょう。「何を言ってるの。」「ばかじゃないの。」これらを文字だけで見るとずいぶんきつい感じがしませんか? 逆に目の前で友だちが楽しそうに笑いながら言っているのを想像すると、同じ言葉でもずいぶん印象がちがいますね。つまり、あなたが楽しい気持ちでこのような言葉を書いても、文字だけを見ている相手には楽しそうなふん囲気は伝わらないということです。こんなときは、「とつ然変なことを言うから、おもしろくて大笑いしてしまいました。」など、あなたの声や表情のかわりに気持ちを伝えてくれる言葉を加えましょう。
友達からのメールやコメントがきつく感じられたときも、かっとしてすぐに返信しないで、友達がどういう気持ちで何を伝えようとしたのか考えてみましょう。文字だけでは伝わらないときは、実際に会って話し合うことも大切です。
メールやコメントを送る時は、送信ボタンをおす前に必ず読みかえして、相手がどんな気持ちになるか、この言葉できちんと伝わるかを確認する習慣をつけましょう。ウェブページ、SNS、ブログ、チャットやけいじ板など、たくさんの人が見るサイトでは、どんな人が読んだとしてもあなたの気持ちや考えが正しく伝わる文章を書くように心がけます。自分が伝えたいことが何か、この言葉で本当に伝わるか、考えながら文を書く練習をくり返すといいでしょう。文字のコミュニケーションがじょうずになることは、あなたがネットワークを活用する上での大きな助けになるでしょう。
面とむかって同じことを言えますか?
おたがいの顔が見えない文字だけのやりとりでは、つい面と向かっては言えないようなひどい言葉やうそなどを言ってしまうこともあります。でも、画面の向こうで相手は、あなたの言葉におこったり泣いたりしているかもしれません。悪口やうそ、でたらめ、自分が言われたらいやなことは、メールでもSNSでもネット上のやりとりでも絶対に書いてはいけません。顔が見えないから何を言ってもいいのではなく、見えないからこそ相手の気持ちを想像する力がもっと必要になってくるのです。顔を合わせてのコミュニケーション以上に、相手の立場になって考えてみることが大切です。ネットから発信したり、メールやSNSでやりとりをするときは、同じことを面と向かって言えるか、自分が同じことを言われたらどんなふうに感じるか、よく考えてコミュニケーションしましょう。
こんなところがポイント!
- 言葉を選んで文章を書くようにしよう。
- メールやコメントは送信する前に必ず自分で読み返してみよう。
- 面と向かって同じことを言えるかどうか、同じことを言われたらどう感じるか、考えながら発言しよう。